リップヴァンウィンクルの花嫁
観ました、ずっと観たかったやつ
ただただ不思議で、優しさが怖かったり
あったかいことで痛々しくなったり
これは何かで読んだ言葉やけど
新しいペンを使い始めたときから
使い終わるときのことを考えてるような
そんな感じの映画と思った
ほんまに色んなことを感じたし考えた
上手いことまとめる自信ないけど
寂しいを通り越したところ、というか
寂しいって、あるものが在って
でも今は無くて
得てる私、得てるときっていう基準値に
手を伸ばしてるけど届かへん状態やん
その、在るあるものが(日本語)
在って当然のものやったんか
そうじゃなかったんか
それはどっちの可能性もあるねんけど
どっちにしても
無いという状態に慣れてはない、つまり
無いという状態が当然じゃないから
寂しいっていう感情が上がるんやと思うねん
でも真白さん(準々主役)は
寂しいの状態に浸かり過ぎてしまって
そこがレギュラーになってしまって
しかも、無いものを
他のもので埋めることができへんねんな
普通の人がする例えば失恋とかなら
友達と遊ぶ、仕事に打ち込む、
他のもので誤魔化すことができるけど
真白さんはそれでは誤魔化し切られへん
全部が何かで埋めたいくらい
欠けてるから
他のものを埋めてあげられる程
満ちてるものが無い、そんな状態
そんな状態で、それが普通になってる状態
寂しいを通り越して
そういう場所のことを知ってしまうと
無償のものが怖くなる
無償は、こっちが対価を支払わへん分
責任が生まれへん、何の保証もない
店員さんとかが優しくしてくれるのは
お金を貰ってるから、ではなく
私たちの方がお金を支払うことによって
人の優しさから目を背けてる
そんなん直視して受け取ってしまったら
有り難くって壊れてしまう
みたいなことを真白さんが言ってて
そのことに確かにというよりは
あーここまできたら
こんな風に考えるようになってしまうんか
そこでインパクトのある台詞やった
真白さんの心の、切ない部分が
少しずつ、わざとじゃない、
事故みたいな形で露わになっていくんが
切なさに拍車をかけてた
ラストシーンも私は良いと思ったよ
綾野剛くんの意図は、言い切られへんけど
お金を介したから、ではあるけども
交わされたお金以上の優しさ
店員さんに、お手洗いの場所聞いたら
わざわざ連れてってくれたとき、みたいな
お金で買ったような
買ってないような、そんな優しさ
私はそんな風に感じました
ラストシーンはほんまに滑稽で
ぶっ飛び過ぎてて笑ってしまうねんけど
同時にワーワー泣けてきてまう
絶妙な出来やった、最高でしかなかった
女の人にとって(男の人は分からんだけ)
裸になるってなかなかナーバスなことで
セクシー女優だってパンピービッチだって
遡れば人生の初夜があった訳で
ご趣味の方は知りませんけど
お仕事にされてる方は
全く抵抗なくその仕事をしてるかといえば
きっとそんなことないと思うねん
恥ずかしいと思いながら服を脱ぐやろうし
双方にとって、
お金以上には需要のない行為に
(互いにとって仕事でしかないってこと)
虚しく思うこともあると思うねん
だってほんまに大きなものを捨てとうやん
すれ違っただけの
喋ったこともないようなおじさんでも
自分の裸見れるねんで?だいぶしんどい
そういう仕事してる人のこと、
うわーそういうこと平気で出来るんや
って短絡的に考えてまいがちやけど
抵抗感だって虚無感だってあったやろう、
そういう仕事のことをうわーって思う
その、同じ地点からスタートしてて
その上で、理由があって
例えばお金の事情で、
例えば必要とされたくて
その仕事に邁進してたっていうことを
肌で知るようなラストシーンやと思った
そしてなんと言っても
七海は何で急にあそこまでの
ドン底に転落したのか
安室さんの行動の意図は?とか
色んな不思議が、終盤
安室さんのサラッと言った一言で
途端に全部解決するから
あ、なるほど!が強過ぎてフリーズする
主人公は七海、黒木華ちゃんやねんけど
私らは黒木華ちゃんの視点から
真白さんを主人公のように映画を観る
人生のほとんどはグレーで
白黒ハッキリなんて絵空事やん
そこを緻密に、大袈裟にならんと出してて
でもいざ作品として見ると滑稽
でもこれこそがリアル、みたいな
キャストも要素も悪目立ちしてなくて良い
やっぱり監督と脚本家が同じやと
伝えたいことと伝え方に
ズレが生まれんから
ええ映画になるんやろな
期待通り、私は好きな映画でした
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4コメント
2018.12.04 04:24
2018.12.04 03:57
2018.12.04 03:54